眠り姫はひだまりで


話そうと思ったとき、クラスの派手めな女子たちが、ぞろぞろと教室に入ってきた。

「あーもー最っ悪!!」


「ホンットー!なんでいないのー?」


みんな口ぐちに、文句を言っている。

なんだか怖い。

?どうしたんだろう…………。

クラスのみんながさりげに、横目で様子を見るなか、葉くんだけは直球だった。


「どしたー?なんでそんなに怒ってんのー?」


クラス中がおしゃべりを続けながらも、そっちを気にしている。

そして、みんなの『葉すげぇ』という、心の声が重なった気がした。


「葉!ちょっと聞いてよ!今、別館行ってきたんだけどさぁ」


ひとりの派手女子が、葉くんに悔しそうな顔で話しはじめた。

別館。一、ニ、三組がある館だ。

私たち六組は本館だから、さっきまで別館に遊びに行ってたんだろうなぁ。

堂々と遅れて教室入ってくる辺り、彼女たちは自習って、知ってたのかな。





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