眠り姫はひだまりで
「もうねぇ、あたしたちこの一週間、ずっと二組行ってんだよ!?なのに、全然いないの!」
話す女子は、すごい剣幕だ。
二組…………。
純くんのクラスだ。
そこで、はっとなって、やだなぁと思いながらも。
ミオとの話しを続行しようとミオのほうを向いた。
ミオにもらったジュースを、ちゅーちゅー飲みながら。
…………あ、今一応授業中なんだけどね。
「………で、でねミオー……」
話そうと思ったら…
「誰がいねぇの?」
「純!!」
ぶっと、ジュースを吹きそうになった。
葉くんと、さっきの女子の会話だ。
えぇ…………!
二組に会いに行ってたのって、純くんにだったの!?
「…………色葉、大丈夫?」
ジュースを吹きそうになった私を、半ば呆れた目で見るミオ。
「だ………大丈夫」
ミオにティッシュをもらって、口元を拭いた。
「これは聞くしかないね」
私の心の声がわかったみたいに、ミオはつぶやいた。
今も続けられる葉くんと女子の会話のことだ。
ミオと、ドアの前で繰り広げられる会話に、耳を釘付けにした。