眠り姫はひだまりで
うぅ……。
教室を出たときから、三十分は経過している。
大和、残ってくれてるかなぁ…………。
走って行きたいけど、日頃運動不足だからか、足が痛くてたまらない。
とぼとぼと、二階から三階に繋がる階段を上がる。
教室行ったら、まず大和になんて訊こうかなぁ。
『なんで転校してきたの?』
『なんで言ってくれなかったの?』
『てかまず、なんでうちの高校なの?』
…………etc。
色々ありすぎる。
そこで、最後の段を上がり終えた。
「色葉」
え?
声がしたほうを見ると、階段のすぐ近くに…
「…………大和!」
壁にもたれて立つ、大和の姿があった。