眠り姫はひだまりで


私も久しぶりの感覚に、頬がゆるんだ。



教室について、かばんのなかを見る。


「あ、あれ?」

ガサガサと、かばんをあさる。

「どした?」

「携帯がない」

スカートのポケットをまさぐるけど、やっぱりない。


「どっかに落としたのかな…………あ」


資料室だ。

荷物片付けてるときに床に落ちちゃって、危ないなと思って、資料室のテーブルに………

………置いた、まんまだ。


「~ご、ゴメン大和!私資料室行ってくる!先玄関行っといて!」


「え、僕も一緒に」

「だいじょぶだよ!お願い、玄関行ってて!」

走って教室をでながら、大和に手を合わせお願いする。


「…………わかった。かばん持ってっとくね」


「ありがとー!」


バタバタ…

私は、慌ただしく教室を出て行った。


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