眠り姫はひだまりで


見た目からしてチャラチャラしてて、私の苦手なタイプ。

そーでなくても、男子が苦手だった私には、とても付き合う気にはなれなかった。


何度断っても、しつこく言ってくる。


ことあるごとに声をかけられ、話しかけられた。



ミオが、「うざかったらバシッと言ってやってもいいんだからね」って言ってくれたけど、私にはそんな勇気はなかった。


その先輩は、当時けっこう女子にモテてたみたいだけど、同時にあまりいい噂をきかない人だった。


『ケンカっぱやい』だとか『キレやすい』だとか、『女遊び激しい』とか……


男子には不評な、そんな先輩だったからか、私は怖くて、キツくは言えなかった。



そんな、ある日。


私は放課後、知らない女の先輩たちに、校舎裏に呼び出されていた。


派手なギャル。そんな先輩方に囲まれ、すごい剣幕で四方八方から睨まれていた私は、もうすでに半泣きだった。


「な、なななんでしょうか………」


びくびくとおびえる私に、リーダーっぽい先輩が、さらに睨みをきかせて言った。


「あんた、真也にまじで告られてんだって?」


「はい?真也?………あ」


先輩のことだ。先輩のフルネームは斉藤真也(さいとうしんや)。


ってことは…………?


「今までは、ただの冗談かと思ってたのに………最近全然遊んでくれないし。あんたのこと本気らしーじゃん。まじ最悪」



「えええ………」



この人たちはつまり、斉藤先輩とよくつるんでた…………ギャル達ってこと?


先輩が私に本気だから、最近遊んでくれなくて、怒ってるって?


なにそれぇ…………



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