眠り姫はひだまりで
私の困り顔を見て、リーダーの先輩がずいっと顔を近づけてきた。
瞬時に鼻につく甘い香り。
香水?
…………苦手だ。
「あんた、真也に何したワケ?」
「なにって………ひ」
ずいっとせまられ、一層顔が近くなる。
「なに言って口説いたの?それとも、このカワイーお顔で誘惑でもした?え?」
頬を撫でられる。
ひぃいいぃい…………!
嫌味にしかきこえない!
「……なっ…なにもしてません……!」
「はぁ?」
私の言葉に、なに言ってんだこいつという目で見てくる。
「なにもしてないとか、ありえねーし」
「ほんとになにもしてません!」
だって、一回目の会話なんて、ミオが先輩たちと仲良く話してるなかで、突然話し振られて、「……はぁ……」って気のない返事で終わったんだよ?
二回目だってまともに会話してないのに!
「本当に?」
「はい」
私が、目の前の先輩の目をしっかり見て、嘘はないと伝えると、ガシッと胸倉を掴まれた。