眠り姫はひだまりで


「ふざけんな!!」


えぇ!?


すごい形相。
怖い!


「なんにもせずに、真也が勝手にお前に惚れたってか!?笑わせんな!」



しっ、知りませんよ!!

きくなら私じゃなく、斉藤先輩に訊くべきだ!


胸倉つかまれたまま、ダン!と壁に押し付けられた。


顔を歪めた私なんかお構いなく、一気にまくしたてられる。


「調子乗ってんなよ!しかもなんか曖昧な断り方してるらしいしな!期待持たせるようなことすんな!」


手が離された。


思わず息をするのも忘れてて、はーはーした。


彼女達は、相変わらず私を睨み、


「………断るなら、ハッキリしてよね」


そう言って、去っていった。



「………………」



校舎裏に一人残された私は、呆然としていた。



………期待を………持たせる………



私、そんなに曖昧な返事してる?

言うべきことはちゃんと言ってる。


『付き合ってよ』って言われたら、『すいません無理です』って言ってる。


これでもまだダメなの?


それとも、ミオの言うとおり、キツく言った方がいいの?





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