眠り姫はひだまりで


「……………先輩達にきいたの?」

手を離してもらい、返事をする。

「……………うん。あと、先輩達に、これ以上私に何も言わないでって言ってくれたことも」


すると大和は、はぁ~、とわざとらしく大きなため息をついた。


「先輩達口軽い………」


「私は知れてよかったよ」


「そーだけどさぁ」


大和はもう一度大きくため息をついた。


「…………斉藤先輩に直接言ってくれるなんて、そこまでしてくれなくてもよかっ」

また口を塞がれる。


「だから言うなって」


むぅ……………。


大和がしてくれたもうひとつのことは、斉藤先輩に直接、私のことで文句を言ってくれたらしいってこと。


色葉は断ってるんだから、いい加減しつこく迫るのはやめて下さい、だとか、
そこまでしてたら、もう付きまとってるとしか言えませんよ…とかとか。

先輩は詳しくは教えてくれなかったけど、大和は最後に、こう言ったって…。


「一週間後までに色葉を惚れさせること出来なかったら、付きまとうのはやめて下さい」


と。嫌だという先輩に、よくわからないけど、何か先輩が食い下がるようなことを言ったらしい。
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