眠り姫はひだまりで

今まで、何度も大和に助けられた。


私は、それをちゃんと返せてない。
だから、もっと大和の力になりたいよ。



それからは、学校のこととか、友達のこととか、他愛のない話をして帰った。

とても懐かしくて、懐かしくて、泣きそうになった。


自分の家に近づくに連れて、思い出していくのは、あの日のこと。

私と大和が唯一、お互いの心が遠く遠く感じた瞬間。




「わざわざ送ってくれて、ありがとう」



私の家の玄関先。

大和は中学の頃もそうだったけれど、当たり前のように家まで送ってくれる。


「いいよ。今の家はこの先にあるから」


「えっ、そうなの?!」


「うん。ボロいからあんまり見られたくはないけどね」


そう言って笑う大和の姿は、やっぱり見た目は変わっても、中学の頃とあまり変わってないなと思った。
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