眠り姫はひだまりで



「今度遊びにいきます」


笑うと、「了解ですよ」と笑いながら返ってくる。


久しぶりの感覚に、懐かしさを感じて、嬉しい気分になる。


すると大和はふと、凄く嬉しそうな、愛おしそうな、切なそうな顔で微かに笑った。


「………………色葉」



優しく名前を呼ばれる。


あぁ、思い出してしまう。


中三の冬。
こうやって家に送ってもらって、今みたいに玄関先で笑いあって。


大和がふと真剣な顔をして、あのさ、と呟いて。


いつものように返事をしたら、

告げられるんだ。

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