眠り姫はひだまりで


大和に名前を呼ばれ、記憶がよみがえる。

苦しくて切なくて、狂おしい記憶が。


『色葉が好きだ』


大和の目が、まっすぐ私をとらえていた。


それがどうゆう意味の好きなのかは、私でもわかった。



雪が降る。


たとえば、


誰もいない夕方の公園とか、


みんなでつくった秘密基地にひとりぼっちのときとか


そういう静けさが辺りを包んでいたのと、


この時妙に現実への実感が湧かなくて、


ただただ、呆然としていて。


『……………ごめん…………』


そんなことしか言えなかった。


呆然と、大和を見ていた。
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