眠り姫はひだまりで

「……はぁ」


自動販売機の前で、立ち止まった。

…ホントは、喉なんて乾いてないけど………

適当に、いちごミルクを買ってストローをさす。

ちゅう、と吸うと、甘い味がした。


……やだなぁ。

純くんに誘われて、ちょっと舞いがっちゃったから。

仲直り出来るかなぁ、なんて、思っちゃった。

…近づけない。

空き教室では、すっごく近い距離にいたのに。


いちごミルクを飲みながら、ゲーセンを歩く。

すると、後ろから柔らかいものが肩に触れた。


「ひゃっ!?」


振り返ると、いたのはたくさん風船を持った、うさぎの着ぐるみ。


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