眠り姫はひだまりで


…近い、なあ。

そそくさとロッカーから布団を出すと、一週間ほど使ってなかったから、少しだけ机につもった埃をはらう。


机に足をかけて乗ると、純くんの頭のつむじが見えて、ちょっと笑った。

机ベッドの上で横になって、毛布を胸元まで広げる。


「…おやすみ」


下から声が聞こえて、頬が緩みそうになるのを堪えながら、目をつむった。


「…おやすみなさい、純くん」


やっぱり抑えられなくて、嬉しさで声がうわずる。

…腕の中じゃない。

だって、彼氏彼女じゃないから。


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