眠り姫はひだまりで


でもなんだか、とっても暖かかった。

このぽかぽかな空き教室と、隣で眠るひだまりの王子様。


…なんて心地よい。







昼休みが終わったあと、急いで教室に戻ると、まだ先生は来ていなかった。

教室はざわざわしているけど、たぶん誰かが『先生来た!』とか言ったら、みんな静かになるんだろうなぁ。


とりあえず、みんなしゃべってるから、私は斜め前の大和に声をかけた。

「大和っ」

呼ぶと、こっちを振り向く、大和。

「ん?」

「あのね、誕生日にくれた枕!すっごく寝心地いいよ!」

お陰で遅刻しかけたし。

ミオに言った時のようなテンションで言うと、大和は苦笑したよーな笑いをした。






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