眠り姫はひだまりで
ドタドタと、騒がしく家を出る。
今から走っても余裕で遅刻なんだけど、始業から何分オーバーかっていうのと、担任の怒りは比例するって誰かが!
学校の玄関へ向かう途中で、ついにチャイムがなった。
はぁ、はぁ、と息を切らして、靴を靴箱へ入れる。
慌てるものだから、階段で躓きそうになる。
ヘロヘロになりながら階段を上がると、後ろのほうから同じく階段を駆け上がる音がした。
びっくりして後ろを振り返ると、そこにいたのは…
「大和っ?」
驚いた目で私を見上げる、大和だった。
「大和も遅刻!?」
思わず訊くと、大和は苦笑いを浮かべながら、私の背中を押した。