眠り姫はひだまりで



廊下を歩いていると、向こうでパックのジュースを飲んでいる同級生の女子に気づいた。

その派手めな女子は、私に気づくと「あ」と声を出す。


「色葉ー」

そう言って、こっちへ来た。

くるくるに巻いた茶髪を揺らす、四組の鈴(すず)ちゃん。…可愛いなぁ。

「どーしたの?」

「あのね、さっき佐伯くんが探してたよ」


大和が?

なにか用事かな。

「そっか、わかったぁ。ありがとう」

笑顔でお礼をいうと、鈴ちゃんはストローを咥えてニッコリ笑った。

それと同時に、昼休みが終わるチャイムが鳴る。

早く教室戻らないと。


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