眠り姫はひだまりで


大和は苦笑いしながら、「それぐらいいいよ」と言ってくれた。


放課後。

私と大和は、教室に残ってバザーのポスターを描いていた。

床に紙を広げて、ふたりで筆を持つ。

昼休みに、大和が私を呼んでいたというのは、放課後ポスターをつくろう、ということをいうためだった。


画用紙に小さくつくられた薄い青のシミに、私は眉を下げて項垂れた。

「うわー、なんで私、こんなに不器用なのぉー」

「大丈夫だって」

そう言って大和は、あらかじめ下描きした用紙に、赤い絵の具を塗っていく。

一切はみ出さない様を見て、私は「なんでそんなに綺麗に!」と声を上げた。


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