眠り姫はひだまりで


「…いろいろ、あったね」


「…うん………」


本当に、いろいろ。

…あった、けれど。


「…懐かしい」

ふと隣を見ると、大和もこっちを見ていた。

見開く私の目には、大和の優しい笑顔が広がる。


「色葉と、こーやってまた話せるなんて、思わなかったよ」


…私だって。

もう、二度と話せないと、思ってたのに。


ふたりきりの教室で、時計の音が響く。

優しい優しい、大和がいる。


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