眠り姫はひだまりで
私はバタバタと教室を出て、廊下を走った。
手洗い場について、水道の蛇口をひねる。
勢いよく流れはじめた水と一緒に、零れる私の涙が流れていく。
「…は、っ………」
悔しくて、唇を噛む。
違うよ。
大和は、私のことはもう、なんとも思ってないよ。
「…なんで…っ」
私の中で、大和は中二ときのまま、止まってるんだ。
優しくて頼りになる、まるでお兄ちゃんみたいな。
あのときから、おかしくなっちゃったんだ。
私のなかの大和が、変わってしまった。
『好きだ』って、私に言った。
それは、私の知らない大和で。