眠り姫はひだまりで


お弁当を持って、とぼとぼと廊下を歩く。


…どこ、いっこかな。

このもやもやした、沈んだテンションで理紗ちゃんたちと食べるのも、なんか申し訳ないし。


…あんまり、寝付けなかった。

頭の整理がつかなくって、ベッドの上で悶々としてて。

…やだな。噂に惑わされて、周りに惑わされて。

今日もまともに大和を見れなかったし、話もしてない。

こんな状態で、大和にこれ以上変な態度、とれないし…


「……うぅ」

俯いて、窓の外をちら、と見る。

そして外へと足を向けると、中庭に行った。


校舎の白い壁に背を預けて、お弁当を広げる。

…サミシー。

それに、眠いな。…でも、空き教室に行く気にも、なれないな。

純くんと話せたら、ちょっとは元気になれるかもしれない。

でも元気になったって、この胸のモヤモヤは解決するわけじゃないし、噂は広まるばかりで。


…なんで、あんな噂。

確かに、積極的に女子と話す方じゃない大和と、私は目立って仲の良い女子に見えるのかもしれない。



< 392 / 587 >

この作品をシェア

pagetop