眠り姫はひだまりで
お弁当を持って、とぼとぼと廊下を歩く。
…どこ、いっこかな。
このもやもやした、沈んだテンションで理紗ちゃんたちと食べるのも、なんか申し訳ないし。
…あんまり、寝付けなかった。
頭の整理がつかなくって、ベッドの上で悶々としてて。
…やだな。噂に惑わされて、周りに惑わされて。
今日もまともに大和を見れなかったし、話もしてない。
こんな状態で、大和にこれ以上変な態度、とれないし…
「……うぅ」
俯いて、窓の外をちら、と見る。
そして外へと足を向けると、中庭に行った。
校舎の白い壁に背を預けて、お弁当を広げる。
…サミシー。
それに、眠いな。…でも、空き教室に行く気にも、なれないな。
純くんと話せたら、ちょっとは元気になれるかもしれない。
でも元気になったって、この胸のモヤモヤは解決するわけじゃないし、噂は広まるばかりで。
…なんで、あんな噂。
確かに、積極的に女子と話す方じゃない大和と、私は目立って仲の良い女子に見えるのかもしれない。