眠り姫はひだまりで


けどさ、でもさ。

…大和はきっと、そんなつもりじゃない。


大和は至って、今まで通りだ。

優しい優しい、大和のまんまだ。


…なのに、私は小さな変化にさえ、びくびく怯えて。

情けないったら、ない。

ごめんね、大和。


ほんと、ごめんね………



「………色葉?」


…え?

頭上から聞き覚えのある声がして、私は顔を上げた。

見えた顔に、目を見開く。


「…じゅ、んくん」


それは、私の頭の上にある窓から顔を出した、王子様だった。


< 393 / 587 >

この作品をシェア

pagetop