眠り姫はひだまりで
やだなぁ、やだなぁ。
なんか私、最近泣いてばっかだ。
強くなりたいのに。
強く、なりたいのに。
純くんは私の頭に手を置くと、ぽんぽんと撫でた。
「…大切なんだな。そのひとのこと」
こくん、と頷く。
「…じゃあ、それこそしっかりしないと」
私を見て、優しく笑う。
あの、書斎で私が泣いちゃった時みたいに。
お父さんのことを思い出して、泣いて。
でも純くんが、優しく抱きしめてくれて。
…心地良い、ぬくもりで。
「そのひとだって、色葉が大事だし、嫌われたくない。もし噂通りだったとしても、色葉はそのままでいなきゃ駄目だ。告白とかされたら、真っ直ぐ色葉の気持ち伝えて」
…うん。
からまわって、大和を傷つけたら駄目だよね。
噂なんかに、惑わされずに。
私は、今の大和を見なきゃ。