眠り姫はひだまりで
すれ違い
昼休みの終わり頃、純くんと別れて、廊下を歩く。
…うん、頑張ろう。
純くんに会えてよかった。元気、もらえた。
噂は広がるばかりだけど、私がそれに惑わされてちゃ、駄目だ。
明るい気持ちで、対策を考えようじゃない!
おー!と拳を挙げる勢いで意気込んでいると、向こうでミオの姿があった。
…?
なにしてるんだろう。裕也くんとの時間は、満喫できたのかな。
キョロキョロと当たりを見回しているミオは、ふと私に気づいて、はっとした。
「色葉!」
…えっ。
何故か焦ったような顔で、こっちに走ってくる。
「どこ行ってたの!?」
ええっ?
ミオは私の目の前まで来ると、何故かそう言った。
…な、なんでそんな、怒ったような顔してるの?