眠り姫はひだまりで



「来てくれたんだ?色葉」



………耳元で囁かれる、この声。

 
純くんだぁ……………!


戸惑う心より先に、体をばたつかせた。


「ははは離し…………っ」


「あはは、照れてんの?カワイー」


かかか可愛い………!?

純くんにそんなこと言われたら、死ぬーーー!

………てゆーか!


「純くん……………っ!?」


さっきから、体のあちこち触られてるんですけどっ!?


けれど、何故か純くんは、間延びした声を出した。


「…………色葉ぁーーー」


「……なななに…………?」


「なんかいーにおいする………」



……いーにおい。って…………?


純くんは、私の髪をくんくんしてる。


……シャンプーかなぁ…………?


私、香水とかつけないし。




< 40 / 587 >

この作品をシェア

pagetop