眠り姫はひだまりで
嬉しいけど、まさに今大和との噂がたってるときに…って考えると。
だいぶ、まずい気は………する。
「なんだそれー、俺は結構怖かったんだけど。引かれると思った」
コーラの缶を持ちながら、純くんがため息をつく。
…純くんに、怖いことなんてあるのか。
「……ごめん」
俯きながらぽつりと呟くと、「なにが?」という顔をされた。
「…だ、だって…私と話してたからでしょ。その…純くんのそーゆー面、他の人に見られちゃったの」
…私個人が、他の人に見られてほしくなかった、ていうのもあったけどさ。
けど、純くんがこれから学校で過ごしにくくなったんじゃないかとか…
いろいろ、ありそうだから。
私がソーダの缶を見つめて、しょぼんとしていると、隣から笑い声が聞こえた。
…え?
「なんで笑う!?」
見ると、純くんは妙にニヤついた笑みの口元を、手で抑えていた。