眠り姫はひだまりで


「わ、私真剣に言ったんだよっ!」

「うん、わかってるよっ……」

…わ、笑うなぁぁ…!


純くんは「あー面白い」なんて言いながら、私を見る。

「いいんだよ。結果、引かれはしなかったんだし。むしろ、これから好きに騒いでいいって考えたら、よかったかなって」

「色葉のおかげ」、なんて言われて、何も言えなくなる。


「…ほ、ほんと、よかったの?」

「いーの。実際色葉と騒ぐときみたいなの、他の人の前では我慢してたしさ」

…やっぱ、私の前でだけ、だったんだ…

うう、やっぱ結構残念なよーな。

けど、純くんにとってよかったんなら、こんなこと思っちゃダメだよね。


「それなら、よかった」

「ん」

とぼとぼと、帰り道を並んで歩く。

明るい純くんの横顔を見て、私も嬉しくなった。






それから、バザーでバタバタとしていたら、日々は忙しく過ぎて行って。


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