眠り姫はひだまりで


涙を袖で拭きながら、思っていたことを口にする。


「……ねぇ、純くん、私に話したいことあって呼んだんでしょ?なに?」


「ん?ああ、色葉が訊きたいだろうなぁって思って呼んだんだよ。俺に訊きたい事、あるでしょ?」


純くんは、に、と笑って言った。


やっぱりそうだったんだ。


私が訊こうと思って、チャイムなっちゃったもんね。


それに気づいてくれてたんだ。


私は、じゃあ、と考えていた質問を始めた。

「えっとね…………まず、なんで純くんはここにいるの?」


「そりゃ、この教室の鍵持ってるから」


「………いや、それはそうだけど。じゃあ、なんで鍵持ってるの?」


「んー?それはねーー…………」



……何故か、その先をなかなか言ってくれない。

無駄に焦らす純くん。


早く言ってよぉ………!

気になるんだってばぁ…………!


そして、やっと純くんはニカっと笑って言った。



「………………秘密ー」


…………いやいや。


ここでそれはないよぉーーー!!


 
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