眠り姫はひだまりで


「最近、遅くまで飾りつくってたから…」

あはは、と笑う。

大和は困ったような顔をしたあと、はぁ、とため息をついた。

「…ちゃんと寝なよ」

「はーい」

笑って返事をすると、苦笑い。

…大丈夫、だいじょーぶ。

ちょっと、フラフラするけど………


ぼうっとする頭で、短冊のように切った折り紙を貼り付けて行く。

大和は筆箱からシャーペンを取り出すと、カチカチ、と鳴らした。


「…最近、なんか元気ないね」


周りの騒がしさが、遠くに聞こえる。

大和が、下の紙を見ながら、口を開く。

重なる、姿。

あの頃と少し違う、姿。


…思い出す、から。


「…悩みがあるなら、言いなよ」


…頭が、ぼうっとする。


< 420 / 587 >

この作品をシェア

pagetop