眠り姫はひだまりで


めんどくさい、寝ていたい、なんて理由をつけて。


けど、楽しいと思ったんだ。


純くんがいて、大和がいて、忙しいけど、新しい友達もできて。

楽しいって、思ったから。


「…謝んないでいーよ」


ふ、と優しい笑みをした純くんは、すごくかっこいい。

見惚れちゃうなぁ、なんて考えながら、私はへら、と笑った。


「……ありがとう」


まるで、お姫様。

王子様に抱えられている私は、残念ながらお姫様みたいにおしとやかじゃないし、綺麗でもない。

けれど、いつかなれたらいいな。

ひだまりのような王子様の、素敵なお姫様に。


…なれたら、いいな。







*ミオside*


はぁはぁと、息を切らして廊下を走る。


目指すのは、保健室。

親友が寝ているであろう、保健室。


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