眠り姫はひだまりで
めんどくさい、寝ていたい、なんて理由をつけて。
けど、楽しいと思ったんだ。
純くんがいて、大和がいて、忙しいけど、新しい友達もできて。
楽しいって、思ったから。
「…謝んないでいーよ」
ふ、と優しい笑みをした純くんは、すごくかっこいい。
見惚れちゃうなぁ、なんて考えながら、私はへら、と笑った。
「……ありがとう」
まるで、お姫様。
王子様に抱えられている私は、残念ながらお姫様みたいにおしとやかじゃないし、綺麗でもない。
けれど、いつかなれたらいいな。
ひだまりのような王子様の、素敵なお姫様に。
…なれたら、いいな。
*
*ミオside*
はぁはぁと、息を切らして廊下を走る。
目指すのは、保健室。
親友が寝ているであろう、保健室。