眠り姫はひだまりで
…なーんとなく、気まずい。
実際、二週間ほど連絡取り合ってないし、話もしてない。
色葉とこんなことになったのははじめてだから、いつ仲直りをしたらいいのかわからなかった。
タイミング、ってやつね。
ふぅ、と息を吸い込んで、ゆっくりと吐く。
そして扉に手をかけたとき、扉の向こうから強い声が聞こえた。
「色葉と付き合ってるの?」
…佐伯くんの、声だ。
え。
な、なにそれ。
保健室に、佐伯くんの他に誰かいるの?
言葉の内容からして、男子だよね。
「………」
あたしは不安になって、扉を開けることができないまま、その場に突っ立っている。
扉の向こうから、「付き合ってないよ」という返事の声がした。
…っこ、この声って。
水野くん!?
うそ、うそ、と戸惑いながら、あたしは扉の前から動くことが出来なかった。