眠り姫はひだまりで


でも、佐伯くんらしくないやり方。

色葉の知らないところで、こんなこと言うようなひとじゃないはずだ。

もっと誠実で、やるならきちんと勝負するひとだ。

じゃあ、なんで……


「…色葉に、外見だけで近づいてるんだったら、純のこと疑うよ」


…あ。

そういう、こと。


「…なにそれ。違うよ」

「そっか。なら、いいんだ。ごめん、いきなり」


…やっぱり、佐伯くんは佐伯くんだ。

あたしが思ってたとおり、佐伯くんは誠実なひとだ。

…てゆーか、あたしと考えてること、まるで一緒じゃないの。


「…つか、大和さあ」

話が終わったと思ってなかへ入ろうとすると、今度は水野くんが話し始めた。


「…色葉のこと、好きなの?」


…ちょっと。

直球、すぎるんじゃないの。

あたしだって、今の時点でもまだ、その可能性を捨てきれてないのに。


< 428 / 587 >

この作品をシェア

pagetop