眠り姫はひだまりで


「秘密じゃなくてっ、ちゃんと教えて!その鍵、行方不明だったはずなんだよ!?」


私がずいずい純くんに言ったら、

純くんは、私を見た後なにか考え込んだ。


…………?


なんでそんな考え込んでるの?


私が不思議そうに純くんを見ていると、純くんはぱっと顔を上げた。

 
じっと見つめられる。


な、なに……………?


そんな綺麗な顔で見つめられると、心臓やばいんですけど…………



そして、純くんはニヤッと笑った。




「『教えて下さい』っつったらいいよ」


 


……………え……………


お、教えて下さいぃ~…………?


……………なにそれぇ!?



「なんで私が『下さい』までつけて、言わなくちゃなんないの!」


「え?だって、教えてほしーんだろ?人に物頼む時はこんぐらいしなきゃ」



そう言う純くんの顔は、もうすっごいかっこいい笑顔だった。


けど、なんか違うような。


なんか、こう、活発とした爽やかなカンジではなく、えっと………なんか悪っぽい?カンジ。

 
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