眠り姫はひだまりで


な、なんで泣くのよ〜…

色葉はもう一度鼻をすすると、あたしを見て「だって」と言った。


「…ずっと、話してなかったから」


…あたしだって、同じ気持ちだよ。

話してなかったから、不安だった。

「…心配だから、来たんだよ」

言うと、色葉は嬉しそうに目を細めた。


「…ありがとう。それと、こないだごめんね」


私のこと考えてくれたんだよね、と言う色葉に、「当たり前でしょ」と言った。

「まぁ、言いたくないんだったら、無理に聞こうとは思わないけど。悩んでることあるんなら、話して欲しい」

なんか今更恥ずかしくなって、目線をそらしながら言う。

かっこわる、あたし。


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