眠り姫はひだまりで
シートの上に置くと、先輩は手を温めながら「ホントにありがとう」と言ってくれた。
「いえいえ!午後、頑張ってください!」
…ちょっとは、役に立てたかな。
鞄から財布を取って、スペースを出る。
…やっぱ、もう一年生は近くにいない。
最初から知り合いは美海ちゃんしかいなかったし、仕方ないけど…
うーん、ひとりで回るのも、寂しいなぁ。
きょろきょろと周りを見回して、おしるこを配っているスペースが目に入った。
ひとつもらって、広場のベンチに腰を下ろす。
…おしるこ、あったかい。
あんまりお金も使いたくないし、これだけでいいんじゃないかなぁなんて思えてくる。
午前中、お仕事頑張ったし。
いい経験、できた。
それだけでも、今回このバザー委員をした意味があると思う。