眠り姫はひだまりで


同級生を見かけても、ふたりで隠れたりして。

…楽しかったのに、なんだか気分が悪くなってきて。

「ごめんなさい……」

呟くと、純くんは「いいよ」と笑った。

「もーすぐで、集合時間だし。俺は充分楽しかったよ」

…優しいなぁ。

私は純くんを見ながら、「私もね」と言った。


「…すっごく、楽しかった。一緒にまわってくれて、ありがとう」


精一杯の笑顔で言うと、純くんも優しく笑い返してくれた。

「こちらこそ。…まだ少し時間あるから、寝な」

寄りかかっていいよ、と言われ、少し躊躇う。

「いいんだよ、きついんだろ。気にすんな」

「で、でも………」

「いいから」

じ、と見つめられ、思わず眉を下げる。


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