眠り姫はひだまりで


「…あ、ありがとう」


純くんの目を見て言うと、彼はやっぱり優しく笑うだけだった。






「…色葉、大丈夫?」


隣から、心配しているような、けれど少し呆れているような、そんな大和の声が聞こえた。


私はハッとして、すぐに「大丈夫」と苦笑いして言った。

「また、ぼーっとしてる。最近多いね?」

「そ、そーかな…?ごめんね」


はは、と笑いながら、スペースの片付けをする。


バザー・フリマが終わり、広場の店々はどんどん閉じていく。


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