眠り姫はひだまりで
「…あ、ありがとう」
純くんの目を見て言うと、彼はやっぱり優しく笑うだけだった。
*
「…色葉、大丈夫?」
隣から、心配しているような、けれど少し呆れているような、そんな大和の声が聞こえた。
私はハッとして、すぐに「大丈夫」と苦笑いして言った。
「また、ぼーっとしてる。最近多いね?」
「そ、そーかな…?ごめんね」
はは、と笑いながら、スペースの片付けをする。
バザー・フリマが終わり、広場の店々はどんどん閉じていく。