眠り姫はひだまりで


「やっ、大和っ……!?」

「なに?あ、残りは食べていいよ」

そっ、そういうことじゃなくてですね!?

こんなことしたら…!


私の気持ちなんて知る由もなく、大和は段ボールを持ってさっさと向こうへ歩いて行く。

私の周りの女子たちは、大和が向こうへ行った瞬間に騒がしくなった。

「なっ、なに今の!?」

「色葉っ!?」

みんなが、口々に「どういうこと」と言う。

…そんなの、私がいちばん聞きたい…


「や、大和とはそんなんじゃないから。友達だし、だから……」


そう、友達。

友達だから。

お互いに、少なくとも私が友達だって思ってるくらいには、大和も思ってくれてる。


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