眠り姫はひだまりで


「い、嫌だよ……?だから………?」

 
「うん。だから色葉、口止め料に俺のパシリにならん?」

 
ぱぱぱ、パシリぃ!?


口止め料って、私がこの空き教室に来てること、誰にも言わないから…ってことぉ!?


「なにソレ!パシリ!?絶対やだぁ!」


「えぇ~?なに?色葉に拒否権はねぇよ?それともここの事、みんなに知られたい?」

「…それは……っ」

「俺がこの鍵みんなに回せば、色葉の静かなお昼寝タイムは、すぐに終了するよ?」


また…………!

えーすーーーーー!!!


どーしよう。

 
パシリも嫌だし、お昼寝タイム終了も絶対嫌だ!!


でも、ここで折れたら、純くんの思うツボだ・・・・!!


「どーする?」

純くん満面の笑み。


かかかかっこいい・・・けど、さっきはこの笑顔にやられたけど。

今度は!!


「どどど、どっちも嫌です!!」



……言った!私言ったよ!


がんばった私に、純くんは意外だったのか、笑うのをやめて、私をじっと見つめた。

 
 
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