眠り姫はひだまりで


階段の二段目に足を置いた時、私は目を見開いた。


…大和と、女子。


ジュースの缶を持った大和と、ふたりの女子が、階段を降り終えたところで、立っていた。


…なんか、話をしてる。


私はその場から動けなくなって、階段の二段目のところで立ったまま。

呼ぼうにも声がでなくて、見たら気づかれそうで、なにもできない。


…女子の顔は、なんだか大和を責めるような、そんな表情をしていた。


「ねえ、あの噂、本当なの?」


…それって…!

その声だけで、一体何を話そうとしているのか、わかってしまった。


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