眠り姫はひだまりで
「……………」
目を見開いて固まっていると、先生が教室に入ってきた。
「お、どうした松本ー、間抜けな顔して」
先生の声に、クラスメイトたちが笑う。
「………私はもとからこんな顔ですよ…」
死んだような顔でそう返すと、さすがの先生も「そ、そうか」と言って教卓に立った。
……大和に、避けられてる。
朝、私が学校に来た時。
『おはよう』と言った、『おはよう』と返してくれた。
けれどその目は、すぐに逸らされて、いつもの大和じゃなくて。
私はショックで、消えたくなって、あんな隙間にうずくまっていたんだけど。