眠り姫はひだまりで


「……………」

目を見開いて固まっていると、先生が教室に入ってきた。

「お、どうした松本ー、間抜けな顔して」

先生の声に、クラスメイトたちが笑う。

「………私はもとからこんな顔ですよ…」

死んだような顔でそう返すと、さすがの先生も「そ、そうか」と言って教卓に立った。



……大和に、避けられてる。


朝、私が学校に来た時。

『おはよう』と言った、『おはよう』と返してくれた。

けれどその目は、すぐに逸らされて、いつもの大和じゃなくて。


私はショックで、消えたくなって、あんな隙間にうずくまっていたんだけど。



< 507 / 587 >

この作品をシェア

pagetop