眠り姫はひだまりで
「…な、なに…………?」
なにを言おうとしてるんだろう…
純くんは一瞬目を横にそらして、そしてまた私を見つめる。
…その頬は、少し赤くなっていて。
自然に、心拍数が上がった気がした。
彼の手のひらが、私の頬に触れる。
…ああ、ドキドキして、おかしくなりそう。
学校の王子様は、静かに口を開いた。
「…色葉が、好きだ」
……彼の顔は、私の好きな、照れた顔で。
目を見開いた私に、やっぱり大好きな笑顔で笑った。
「元気出してよ。いつもなんも考えてなさそーな顔してるくせに。沈んでるの、らしくないでしょ」
脳裏に、あの言葉がよみがえる。
頭上で聞こえた、あの言葉。
私の頭を撫でながら、静かにつぶやいた『好きだよ』って言葉。