眠り姫はひだまりで

「…………純くん……?」


何?

私が純くんを見上げると、純くんは直ぐはっとして、にっこり笑った。


「色葉、どーしてもパシリは嫌なの?」


「嫌」


ぐすっ、と鼻をすする。


「即答かー………俺、色葉をパシりたいなぁ」


「何言ってんのー……絶対やだよ」


「そっかー…………まぁでも、色葉に拒否権はねぇっつったよな?」


「へ……………?」



それは、強制パシリってこと…………



と、言おうとしたけど、言えなかった。



「__________........」




口を、塞がれたから。


目の前には、綺麗な純くんの顔。

目はつぶられて、長いまつげ。


両手首はいつのまにか掴まれてて。

身動き………とれない。


…………えっと

こ、れは……………………


まさか。



 キス?





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