眠り姫はひだまりで


書類が山積みに置かれている机の下にもぐりこみ、壁を押す。

扉が開き、銀色の通路が現れた。


「…………」


膝を動かし、そこへ体をいれる。


…お姫様の、寝床。

眠るための、あたたかくて静かな、彼女のための場所。


そこは今、突然現れた王子様によって、お城へと変わった。


眠り姫は王子様へ会いにこの通路を通り、彼の隣で眠る。


けれど、その眠り姫は今、どうしている?

王子様と一緒なんだろうか。

幸せな夢を見て、その腕の中で目をつぶっているのだろうか。



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