眠り姫はひだまりで


机のあるところを覗いて、色葉がいないか確かめる。

…あれ?いない?


できるだけ物音を立てないように歩いて、色葉の言っていた『机ベッド』らしきものに気づく。

そして、ちら、とその近くを見て、あたしは「あ」と声を出した。


「………色葉」


そこにいたのは、うずくまり少し赤い目を見開いてあたしを見上げる、色葉の姿だった。






*色葉side*



「「…………………」」



ミオが、目を見開いて私を見下ろしている。


……えっ、なんで、ミオがここに。

長い沈黙のなか、彼女は眉を寄せたまま口を開いた。



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