眠り姫はひだまりで


え、だってこれ…………

あ、えっと、な………んか……


思考が。

追いついてくれない……………


 
数十秒。


唇が離れて、開かれた二重の綺麗な瞳。


純くんは、ただただ彼をぼぉっと見つめる私を、しばらく見て。

 
そして。



「もうパシリにはなんなくていーよ」




耳元でそう言って、目を見開いて純くんを見ると、爽やかな笑顔を浮かべた。



「じゃ、口止め料ご馳走様でした」



と言って立ち上がり。



ボー然とする私を置いて、教室のドアの前で手を振って。

 
ガラガラ…………



教室を、出て行った。









< 53 / 587 >

この作品をシェア

pagetop