眠り姫はひだまりで


「…それで、あんたはなんて言ったの?」


…なにも、言えなかった。

「……………」

私が黙っていると、「…そっか」と小さくミオが呟いた。


「…大和ね」

「……………」


…言えるわけ、ないもの。

『私も好きだよ』なんて…言えるわけ、ない。


「……なに言ったらいいのか、わかんなかった。大和のこととか、いろいろ…どういえばいいのか、わかんなくて」


待ってて、なんて、言えない。



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