眠り姫はひだまりで


謝りたいのは、私の方だ。

後悔でいっぱいで、時間が戻せたらいいのにと思う。

純くんのあの切ない笑顔と、あのときの大和の顔が重なる。

好きだと言ってくれた、ふたり。

大切なんだ。すごく、大切なんだ。

でも、私はなにも言えなかった。

ふたりに、無理に笑顔を作らせてしまった。


なんで、私はこうなんだろう。

なんで、なんで、


「なんで、大切なひと傷つけちゃうんだろう……」


ごめんね、って心のなかで謝っても、意味はないのに。



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