眠り姫はひだまりで


しっかりと、伝わるように。


彼にこの気持ちが、伝わるように。


「わっ……私の気持ち、絶対言うから!それまで…」


…わがまま、かもしれない。

けど……!


「ちょっとの間、待っててほしい…!純くんが、まだ昨日の気持ちを私に持っててくれてるんだったら…絶対、私から言うから」


少し、声が震えてしまったかも。

きっと、頼りない顔になってる。


純くんは、ただただ私を見ていた。

「……………」

…ち、沈黙。


「…純くん……?」

やっぱり、無理なお願いだったかな。

確かに昨日のことではあるけど、純くんの気持ちがもし変わっていたら….


彼はおもむろに手を上げると、口元をおおう。

…あ。

この、仕草は。


私が目を見開くと同時に、純くんの顔が赤く染まっていった。


< 553 / 587 >

この作品をシェア

pagetop