眠り姫はひだまりで
「…色葉のくせに、生意気なことしてんなよ」
「なにそれ〜」
ふふ、と笑うと、純くんは私の頬をぐにっとつまんだ。
「い、いひゃい!」
「待っててやるから、その笑いやめろ!ウザい!」
ひ、ひどっ!
でも今、『待っててやる』って、言ってくれた。
やっぱり、優しい!
純くんの手を顔から離して、思わず笑ってしまう。
「ありがとう!」
彼は「うるさい」と赤い顔を不機嫌そうにしかめた。
「そんなに長い間は、待ってやらないからな」
「わかってるよー!嬉しい!ありがとう!」
…信じて、よかった。
純くんを信じて、伝えてよかった。
絶対、言うからね。
私の気持ち、言うからね。
どうかそれまで、王子様。
待っていて、下さい…
*
「大和!」
気合を充分にいれた私の第一声が放たれたのは、翌朝のことだった。