眠り姫はひだまりで







教室に入ると、ミオが席に座っていた。

 
「おはよー、ミオ」

 
声をかけると、ミオは目をまん丸にした。


「……え……色葉……!?……ちょっ今日早くない!?どーしたの!?」


私がみんなと一緒に登校してくるのは、そんなに驚くことなんかい。


ビシッと心の中でツッコミを入れながら、まぁそれも仕方ないなと思う。


「昨日眠れなかったんだもん。おかげで寝坊しなかったけどさ。だから今めちゃくちゃ眠いーっ」


「ふーん………眠れなかったの?なんで?」


「…………昨日、ちょっと、ね」


「昨日?」


……………そ、そーいえばミオ、報告をー、とか言ってたなぁ。


「………あ。わかっちゃったぁ。昨日……って、水野くんでしょ」


ぎく!

「だって、分かりやすいんだもん。色葉。あたしが訊いた途端真っ赤になってさぁ。で?なにがあったの」


…………はぁ。


言わなきゃいけないかなぁ。


なんか、恥ずかしいんだけどぉ。



  
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