眠り姫はひだまりで
*
教室に入ると、ミオが席に座っていた。
「おはよー、ミオ」
声をかけると、ミオは目をまん丸にした。
「……え……色葉……!?……ちょっ今日早くない!?どーしたの!?」
私がみんなと一緒に登校してくるのは、そんなに驚くことなんかい。
ビシッと心の中でツッコミを入れながら、まぁそれも仕方ないなと思う。
「昨日眠れなかったんだもん。おかげで寝坊しなかったけどさ。だから今めちゃくちゃ眠いーっ」
「ふーん………眠れなかったの?なんで?」
「…………昨日、ちょっと、ね」
「昨日?」
……………そ、そーいえばミオ、報告をー、とか言ってたなぁ。
「………あ。わかっちゃったぁ。昨日……って、水野くんでしょ」
ぎく!
「だって、分かりやすいんだもん。色葉。あたしが訊いた途端真っ赤になってさぁ。で?なにがあったの」
…………はぁ。
言わなきゃいけないかなぁ。
なんか、恥ずかしいんだけどぉ。